一瞬で伝わる経営ビジョンマップの作り方 -part1-
先日、製造業の会社を経営するお客様から、
「経営計画発表会をするのですが、ここ2〜3年で社員が増えてきたので、これからの会社の未来像や自分の思いをしっかりと伝えていきたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」
と相談に来られました。
と相談に来られました。
「言葉では、なかなか伝わらない。もっとスタッフみんなに僕の想いや会社のビジョンを知ってもらいたいんです。」
そうおっしゃっていました。
そのお客様の気持ちは、とてもよくわかります。
そういった方々に私が提案している事の一つに経営ビジョンを視覚化するということがあります。「経営ビジョンマップ」として視覚化して共有することで、言葉だけでは伝わらない情報はもちろんのこと、視覚化により記憶力が高まって忘れずにいることができます。
お客様は
「それはとてもいいアイディアです!・・でも、実際どうしたらいいのか分からないのですが・・」
「では、もしよければ、一緒に作成してみましょうか?」
「はい!ぜひ、よろしくお願いします!!」
ということで、
一緒に経営ビジョンマップを作成することになりました。
このように、社員さんが増えてくると、自分の思いやビジョンといったものを共有していく事が難しくなってくる経営者さんは多いかと思われます。なぜかといえば、社員一人ひとりとコミュニケーションする機会も減っていきますし、言葉だけでは伝わらない考え方や価値観もあります。
経営者さんとのやりとりの中で、一緒にビジョンマップを作成するプロセスについて、事例を踏まえながらお伝えしたいと思います。
ステップ1.モヤモヤした頭の中を整理する
①自社の経営理念を確認する
経営理念は会社の存在目的や究極のゴールを表すものです。
自社の経営理念を確認することで、会社としての価値観や判断軸、経営者としての哲学や信念に立ち返ることができます。
それにより、改めて自社のあるべき姿が明確になり、経営ビジョンを作る上での着想を得ることができます。事業主の方やフリーランスの方で、また経営理念がないという方は、ご自分が仕事において目指したい最終ゴールや夢、大切にしている価値観などを書き出してみてはいかがでしょうか?
【経営理念 事例】
わたしたちは、世界に誇れる製品・サービスの創造を通じて、関わる全ての人に対して最高の幸せを喜びを提供する企業となります。それにより、社員全員の自己実現を達成します。
経営理念は会社の根幹となる、最も重要なものなので、ここをしっかりと確認してから次に進むようにすることがとても大切です。
②経営の未来像をイメージする
①まずはあなたの経営の未来像を頭の中でイメージしましょう。深い思考に到れるように、落ち着いた環境を用意しましょう。
準備が整ったら、下記のような項目について、なるべく具体的に紙に書き出してみましょう。5年後、10年後、30年後などの時間軸を予め決めておきます。
■○年後、あなたの会社は具体的にどんなサービスどんなお客様にを提供していますか?
■○年後、そのお客様にはなんと言って感謝されていますか?
■○年後、社員は会社のことをどんな会社だと家族や友人に話していますか?
■○年後、どんなイベントや研修を開催していますか?
■○年後、職場の環境はどんな感じですか?オフィスの中はどんなイメージになっていますか?
■○年後、社員同志は、ランチタイムや休憩時間にどんな話をしていますか?
■○年後、社内はどんな雰囲気や風土が根付いていますか?
これらの項目で書き出しやすいものだけでもOKです。
ポイントは、
「頭に思いつくものをあまり考えすぎず、どんどん書き出す」
という事です。
不思議と書いていくうちに、自分の中で、「これだ〜〜!」といったイメージが湧いてくることが結構あります。正解を書こうとすると、ますます筆が止まってしまいますので、「これはできないだろう、難しくて実現できないだろう」というマイナスのブロックを外すことがとても大切になります。「できない」というより、「やりたい」「叶ったら嬉しいな」というマインドを大切にして描いていきましょう。
【10年後の理想像の事例】
●現在の製造技術を活かした新製品を東南アジア3箇所で製造。アジアから世界を中心とした市場に対し、年商10億円規模の売上が確立できている
●障害者の雇用率が全体の10%。外国人雇用率も30%を実現し、個性や能力を活かしたプロジェクトチームにより働きがいのある風土が根付いている
●お客さんには、「あなたの会社の商品はこれまで、一度も欠品や欠陥がなく信頼できる」「担当者の対応が素晴らしくいつもおもてなし精神にあふれているね」
●社員には「この会社は自分の能力が発揮できる制度や環境にあふれている」家族には「お父さんはいつも誇りを持って働いていて楽しそう。僕もお父さんのようになりたい」
●月1回社員3人程囲んだランチ、社員は熱心に今の仕事の状況や課題を相談する。ときには家族の事を相談されることもある。社長は熱心にその相談にのっている。
●社内の雰囲気は、上下別け隔てなく自分の事をなんでも相談し合えるような、自由でカジュアルな雰囲気が根付いている。チームでゴール共有し合う事で、仲間や同志といった絆が生まれている。
こんな感じで、なるべく数字なども交えて、具体的にイメージして言葉化しておくと、後々ビジョンマップを描く時がスムーズです。
ステップ2.シンボルテーマを抽出する
次に、ステップ1の洗い出しをもとにシンボルとなるテーマを抽出していきます。具体的には経営理念とさきほど書き出した○年後のイメージの中から抽出していきます。
その為には、まず先程書き出した経営理念と○年後の理想像の共通要素から導き出される、キーワードを引き出します。
【経営理念・理想像から導き出したキーワードの事例】
「チーム力」
「多様性の発揮」
「海外・世界とつながる」
「自由で平等」
「貢献」
「社員・家族との絆」
「社員・家族との絆」
こんな感じで、ご自身が感じたキーワードで結構です。まずは3〜6つ程度、書き出してみてください。
ステップ3.経営ビジョンマップのもとになるイメージを作る
イメージ絵にするのが苦手な方でもOK!!とっておきの方法
イメージを描く時、出来上がりの全体イメージを構想してから描くのが理想かもしれませんが、普段絵を書きなれていない人にとっては。とてもハードルが高いですよね?!
そこで、今回は絵を描くのが苦手な人でも描けるとっておきの方法をご紹介します。
それは
「イラストカットをまず1つ描いてみる」ということです。
全体のイメージはこの時点で曖昧でも構いません。
まずは1個書いてみて、そこから連想を拡げていくのです。
さきほど抽出した10年ビジョンのキーワード、テーマは、
「チーム力」
「多様性の発揮」
「海外・世界とつながる」
「自由で平等」
「貢献」
「社員・家族との絆」
「社員・家族との絆」
でしたので、この中から中心となるテーマとして、
「互いの個を発揮しあうチーム」
にフォーカスしてみます。
個性を発揮し合うチームを表現する方法を、グーグルの「チーム イラスト」で、画像検索してみました。そうすると、こんな感じのイメージが出てきました。(クリックすると拡大でご覧いただけます)
この中から直感で、ピッタリだな!と思うイメージや発想の切り口を参考にさせてもらいます。私は検索結果から出てきた一番上の左と右下のイメージをヒントに描いてみます。
この2つのイラストを観ながらA3の紙の真ん中直径10センチくらいの大きさで書いてみます。
まずは、真ん中に大きな円を書いて、周りに人となる円を書いていきました。○は人の顔のイメージです。
そして、人と人がタッグを組んでる感じにしたかったので、こんな感じに。
さらに、顔を書いていきます。
なるべく、違う表情にして個性を出すようしました。ちょっとそれらしくなりました。
キーワードの「個性」をもっと引き出す表現はないかなと、再び「多様 イラスト」で画像検索。
そうすると、こんなイメージが出てきました。(クリックすると拡大でご覧いただけます)
外国人の方がたくさん混ざっていたので、
とてもいいな!と思い、これを参考にして、外国人の方も表現するようにしました。
外国人に見えるかな(笑)。
さらに、洋服もみんな全て違う色にしてより個性を表現していきます。
いかがでしょうか?
これだけ描いただけでも、
ただ言葉で表した「互いの個性を発揮しあうチーム」よりも
ぐっと伝わってくると思いませんか?
実は最終的に、何を描くかはこの時点で決めていません!
これでOKなんです。
不思議と他を描いているうちに、いいアイディアが出てきます。
まず最初のスタートは、こんな感じで全然OKなんです!!
ここまでをおさらいしますと、
【経営ビジョンマップを描くポイント】
①自社の経営理念に立ち返りながら、未来の理想像を様々な観点から書き出してみる。
②その中で、キーワードやシンボルとなるテーマを抽出
③②のシンボルとなるモチーフを一つ描いてみる。
以上となります。
次回パート2では、引き続き、この経営ビジョンマップをどのような完成させていくのか?お伝えしていきますね!
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