危機を好機に変える人材育成
こんにちは
この1〜2ヶ月ほどの新型コロナの経済危機により、
緊急な経営見直し。資金調達、中長期計画・ビジョンを見直しなど
経営者の皆さんは、とても重要な判断局面を迫られているのではないでしょうか?
その中の一つ、
これは今始まったことではないですが
人材育成の問題があります。
「危機の時に、社員がバラバラになる」
のか
「危機の時だからこそ、社員が結束する」
のか、
これを機に露呈されることになります。
先日、とあるお客様の相談で、
「幹部社員のモチベーションが上がらない。
他の社員への影響があり、このまま放っておく訳にはいかない。なんとか変えたい」
ということをおっしゃられました。
中小企業にとって
こういった危機の時の、
幹部一人の及ぼす経営への影響はとても大きなものですね。
では一体
この社員のモチベーション問題に対して、
このようなタイミングに
経営者はどのように対処していけばいいのでしょうか?
それは一言で言えば、何かと言うと、
「社員を変える」という視点ではなく、
「社員と目的を一致させる」という事なのだとわたしは思います。
経営下では
理不尽で不条理な事が、毎日のように起こります。
そして、社員に対しても同じように、社員の言動に納得がいかないと感じます。
例えば、
経営者から見ると危機的状況下にも関わらず
意図から外れた行動を見ると、
「なぜ、そんな行動を取るんだ。どうにも理解したがたい。
変えなくてはダメだ!」
という風に
社員を強引に変えようとしてはいないでしょうか?
もしそうだとするなら、
社員を変える事はできません。
もし変わったとしても、それは一時的表面的なもので、本質は変わらないでしょう
なぜかというと、
人は変わることそのものに「抵抗」があるからです。
人は誰でも目的に向かって行動しています。
誰でも目的に向かって進もうとしてることに邪魔されると
必死に「抵抗」するようになるからです。
抵抗の理由には、
変わることでの恐れや、執着、自尊心などがありますが、
社員がなぜ抵抗しているのか、
何を抵抗しているのか、
理解を深める努力をする必要があります
これを読んでそうかもしれないなと
思う方もいらっしゃるかもしれませんが
ですが、
実際にこれをやろうとすると、
とても大変な事です。
既に信頼関係ができているならば良いですが
そうでないとしたら、
経営者側に優れた傾聴能力が必要になるからです
また、
経営者であるが故に躊躇して本当の事を
自己開示してくれないこともありますし、
互いに依存した関係性が邪魔をする事もあります。
そもそもその原因を本人も気づいていないこともあったりもします。
とても一筋縄でないかもしれないですが、
これこそが、重要な事ではないでしょうか
特にその社員が社内において重要なキーマンであればあるほどです。
先ほども話したように、こういったキーマンの言動は
毎日の経営に驚くほど大きな影響があるからです。
コロナショックの今
社員と徹底的に向き合う事は
今までの眠っていた課題を克服するチャンスであるといえます。
こういった局面をきっかけに
話を切り出しやすくなるでしょう。
なおかつ経営者自らの危機感も後押しして
より真剣に向き合う事ができるのではないでしょうか
経営者は、今こそ
いままでおざなりにしてきた課題に対して
1分1秒でも早期に実行する
コロナショックの今
今後の何を優先順位において、
事業の方向性を決めるのか
既存事業を縮小するのか、増やすのか、
それをどのような基準でやっていくのか?
新たな事業をどう考えるのか?
判断しなくてはいけない事が山積みですが、
社員と目的を一致させるという
行動は今すぐにでも実行可能なチャレンジでもあります。
そして
この「目的」とは、行き着くところ
「経営理念」
なのだと思います。
経営理念は
経営者と社員が等しい人間として同じテーブルにつき、
真の信頼関係を構築する土台となって合意形成ができる、
唯一の道筋ではないでしょうか?
このショックが終わっても
今後も大災害や別の新型感染症などの危機は続くでしょう。
危機が当たり前のように続くこの時代の中で、
どのように社員と共に仮説を描きながら方針・行動を立てるのか?
そのような意味で捉えたとしても
行き着くところ、
全ての不動な判断軸は、「経営理念」であり、
なおかつその経営理念は「本物」でなくてはいけないと思います。
「本物の経営理念」とはつまり、
素の人間として深く納得し、
人生の幸せや成長となる事が腹に落ちている事。
そしてそれを目指す事が、社員や社会の幸せに繋がっている事。
経営者軸と会社軸が、
しっかりと一本線で繋がっていると
イメージできる事なのだと思います。
経営危機下の今、
「危機の時に、社員がバラバラになる」
に向かうのか
「危機の時だからこそ、社員が結束する」
に向かうのか
それを実行するのに、十分な時がきているのではないでしょうか?